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うさぎ開発まとめ(2022/3)

この記事は現在鋭意開発中のシングルプレイヤー専用VRエクスペリエンス「真夜中の雪うさぎ」の最近のようすを書いた記事です。先月の記事はこちら

で、うさぎはいつ出てきますか……?


インタラクションシステムについて

前に書いたやつの使用例です。この「いいね」数がこのレベルまでインタラクションを実装してるゲームの少なさを物語っているような、いないような。

オブジェクトが入れ子になってるやつがこちら。実際のところ、入れ子にするのは大して難しくなくて1、この動画の本質的なところはオブジェクトに対して手(のモデル)が従属しているところにあります。めっちゃめんどかった……。


カメラのUIについて

カメラもぼちぼち作っています。このカメラは片手で持ちつつもう片方の手で側面の「ノブ」を回して操作するものです。

実家ことVRChatにおいて、VR空間のカメラにはいくつかの異なるUIがあります。

どれも一長一短のあるUIなわけですが、強いてそれぞれの欠点を挙げるとすると、ボタン式は手を画面の前で行ったり来たりさせる必要があり、ビーム式は精度の関係で誤操作しやすかったり操作のために画面を傾けたりする必要があり、リングメニュー式は移動のためのジョイスティックの操作を奪われるためシームレスに移動がしずらくなります1。ということで、それらすべての「逆」を行くUIとして、操作のために手を行ったり来たりさせる必要がなく、細かい操作が必要なく、カメラを構えたまま操作ができ、ジョイスティックも使用しない、楽しく操作できる方式としてこのノブ式ができました。

といっても、実際に実装して操作してみると、「選択する項目が絶対角度によって決まる」という仕様は結構微妙だったりしています2。このへんは開発中に使い倒してみて改良していく予定です。

フォーカスまわりについて

そもそもスマホカメラで「タッチした点にピントを合わせる」という方式が採用されているのは現実世界のカメラが現実世界の情報を平面の像でしか取得できないから仕方なくやってるのであって、万物の情報が計算できるVR空間でわざわざ同じことをするのは愚行である……という信念に基づいて、空間中にフォーカスする点を「置く」機能も実装しました。今の実装で採用しているレイキャストベースの座標指定が適切かどうかはひとまず置いといて、こういうVRならではの常識ギリギリを攻めたUI/UX、前作の引き寄せのアレに引き続き目指していきたいと思います。


「真夜中」について

「真夜中の雪うさぎ」は名前のとおり真夜中が舞台です。といっても、私が「現代日本の風景が舞台のVR作品です!」と宣言したときにそこに含まれる情報量がほぼゼロであることは前作でバレてるので、正確には「真夜中の雪うさぎ」の一部は真夜中の住宅街が舞台になります。

ビジュアル面でいうと、この「真夜中の住宅街」成分は前作PSFでやろうと思って尺の都合で作れなかった部分で、元をたどればもっと前に作ろうと思って頓挫したゲームで作る予定だったモノになります。思い返せば当時高校生とかだった私は3Dゲーム制作のあまりの作業量の多さと要求されるスキルの高さに絶望して挫折したものですが、最近はやっとのことで腕が熱意に追い付いてきたので、うれしい。


△について

家具を集めてレイアウトを決めておうちを作って楽しむ系のゲームで「サンカクな家具シリーズ」として実装してありそう。

三角形や正四面体を基調としている理由は実はまったくないのですが、こういう背景モデルは「作品の調和を乱さないくらいには控えめで、かつ愛着を持ってもらえるくらいには特徴的」だと望ましいので、全部三角チックにしてみました。ちなみに、この家具が置かれている部屋もメチャクチャサンカクです(おおかたできているものの、広報担当がネタバレの方向性を決めかねてるのでまだツイートしてない)。

ちなみに、このモデル群は作ったら終わりというわけではなく、ここから全モデルについて「それが何であるかを記述する」というよくわからない作業が待っています。本気で「恋」を創るなら、そのくらいしなきゃならんのよ。


  1. ただし、今の実装はオブジェクト同士に親子関係があることを仮定している(最初の例で言うと箱が親で円柱が子)ので、親子関係を自動で解決するような実装にしようとするとまためんどくさいことになります。今のところはそこまで複雑なものは予定してない。
  2. かつてのiPodのクリックホイール的なやつができれば理想なのですが、ヒトの手は360度回らないし空中に円を描かせるのは学習コストが大きすぎるので、厳しい。
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