「[あなたの名前]の見る夢」の解説:VR空間における観客誘導の一例

この記事ではBeyond Reality: Betaで展示中の作品「[あなたの名前]の見る夢」の解説をします。この作品は常時展示中ですので、まだ見ていない場合はネタバレ注意です!ブラウザのスクロールバーの長さから分かるように、この作品は見た目通りの作品ではありません。

コンセプト

この作品を正しく鑑賞された場合はお分かりかと思いますが、この作品のコンセプトは「人工知能で私の撮ったVRChatの写真を模倣すること」ではありません。この作品で展示されている絵画は実際に人工知能を用いて生成した画像ですが1、これらは作品の本質を隠すためのブラフであり、単なる飾りです。

この作品の「本質」を物語風に書くと以下のような感じになります。

あなたは友だちと一緒にBeyond Reality展を訪れました。みんなと談笑しつつ展示室を一部屋、二部屋と通っていくと、ひと際大きな展示室にたどり着きます。そこには謎めいたたくさんの絵画を並べた作品「[あなたの名前]の見る夢」がありました。みんなは絵画を眺めながらあーだこーだ言っていますが、あなたはそこまで興味がありません。みんなからすこし離れて作品が飾ってある衝立の間を歩いていくと、あなたは絵画が置いてあるはずのスペースに唐突に鏡が飾られているのを見つけます。「これも作品の一部?」なんて思いながらなんの気なく鏡の表示を切り替えるスイッチを押すと……

あなたは誰もいない展示室にいました。

(省略)なんだかんだあって気がつくと、あなたは元の鏡の前に戻っていました。急いでみんなのもとに集合して起こったことを説明してみますが、鏡のスイッチを何度押しても単に鏡の表示が切り替わるだけで、誰も「だれもいない展示室」に行くことはありませんでした。そのうち友だちの一人がこんなことを言いました。

「夢でも見てたんじゃない?」

動作例

この作品はおきゅたんbotさんにBeyond Realityを取材してもらったときに合わせて公開した作品でしたが、事前に台本を渡したんじゃないかというレベルで完璧に動作したのでぜひご覧ください2。実際、あまりにも上手くいきすぎているので作品が発動した瞬間は映っていません。

種明かし

この作品では、最初に鏡のスイッチを押した人のみが「だれもいない展示室」にテレポートされます。こちらの展示室では鏡や衝立を除いたすべての作品や看板が取り除かれていますし、以下のような設定がなされているため元の展示室からはほぼ完全に切り離されます。

  • 元の展示室から物理的に数百m離れている2
  • カメラのFar clipがそれよりも短く設定されているため壁に顔を突っ込んでも元の展示室が見えない
  • リスポーン地点もAnimationで移動されているため(後述)リスポーンで戻ることもできない

移動後の展示室には次のようなギミックが仕込まれています。

  • この作品のガラス看板のみが消えずに残っており、展示室を一周してくると文章が「そろそろリスポーンしてもいいんですよ?」に変化する
  • リスポーンするか入り口まで戻るとBGMとエントランスの看板がもとに戻る。ただしBGMはわずかに歪んだ後に徐々に消えていき、看板も10秒程度で元の白色に戻る
  • 以上の演出後、10秒程度で視界が暗くなり元の展示室に戻る

ということで、最終的にはもとの展示室に戻れるのですが、この体験ができるのは1インスタンス中で1人のみなので「夢でも見てたんじゃない?」というオチが成り立ちます。実際おきゅたんも1:10:10でこのセリフを言っています2

フローの設計

ここまで書いてしまうと単なる「しょうもないギミックが入った作品」に思えるのですが2この体験を確実に成功させるには作品を適切に「設計」する必要があります

天下り的ですが、この作品を体験する際の想定されるフローチャートは次のようになります。

太い赤線が想定されたフロー、細い赤線が許容できるフロー

このフローの終端は4つあります。

  1. 夢から覚めてからフレンドと合流してミスマッチ感を味わう
  2. テレポートしたものの、戻り方がわからずワールド移動してしまう
  3. 夢から覚めたフレンドと合流してミスマッチ感を味わう
  4. ギミックがあることに何も気づかずに退出

この作品における「成功」とは、「1.のケースを確実に1人作り、他の人を3.にし、2.と4.に該当する人を最小化する」ことにあります。以下で順番に説明します。

「ねむるひと」を確実につくる

「だれもいない展示室」に一人の来場者を誘導し、かつ他の来場者にそれを悟られないようにするには、作品に対する警戒感を取り除いた上で来場者の立ち位置を分散させ、少人数(できれば一人)をキルゾーン(鏡の前)に誘導する必要があります。

展示室の配置を次に示します。

展示室の構成

まずひと目で分かることとして、来場者が停留しがちな箇所と鏡のある通路が大きく分離されていることが分かります。ある来場者が展示室に入ってから鏡に到達するまでの時間はそれまでの展示物に対して割く鑑賞時間の総和になるため、独立した停留点が多ければ多いほどその分散は大きくなる(=先走った少人数の人のみが鏡に先に到達する)ことになります。そこでこの作品では、見どころポイントを「鏡から全く見えない場所」かつ「相互に見通しの良い場所」に配置することでこの分散を大きくすることを試みました。いうまでもなく、2mのコライダーつきの衝立を使用している理由は誰かが衝立の向こうでいなくなっても気付かれないようにするためです。

展示室の構成の比較

動線に関しても、普通のちょっとした絵画展さながらに自由に行き来できるよう衝立と壁の間に通路を設けています。これに対して、例えば普通の美術館のように壁を中心に動線を作る「広間形式」や、通路によって動線を固定する「通路形式」も考えられますが、画像のように「人を分散させる」「鏡付近が外側から見えないようにする」ことを同時に実現するために衝立を中心とした構成にしました。

衝立の列数の検討

衝立を6列にしたのと中央に模型を設置したのもキルゾーンを確実に設置するために必要な設計です。まず、この作品で展示されている絵画はその性質上単純かつよく分からないものばかりなので、列数を大きくしすぎると全体的に単調な構成に見え、特定の通路を通らない人が続出する可能性が非常に高くなります。一方で、列数を小さくしすぎると衝立で十分に視界を遮ることができなくなりますし3、作品規模が小さく見積もられてしまい「見かけとは別のギミックがあること」が悟られてしまう可能性があります。そこで中央部分の衝立を除いて模型を設置することで

  • 展示室の入口から見た際の見かけの作品数(=衝立の数)を水増しする
  • 完全に独立した通路として成立している廊下を鏡の前のみにし、その場所の魅力を際立たせる
  • 模型まわりにT字路を多数設置して動線をあえて崩す

ことを同時に試みました。

鏡のある通路を展示室の壁際から一列離しているのにも理由があります。来場者はこの通路の前に差し掛かった時点で「壁際に次の部屋への道があるため(衝立の向こうからでも出口が見える)この付近で離散したメンバーと合流して壁際の絵をササッと見て次に進むのが順当な流れである」ということをなんとなく察すると思います。逆に言うと、「全員が揃うまでは一番奥の通路を通る意義がない」と判断することになると思います。これによって、キルゾーンに差し掛かった来場者は自動的にその奥に進む動機を失い、自然と鏡の前に誘導されることになるはずです。

おきゅたんとまろんさんの動いた線

これらを踏まえた上で、おきゅたんとまろんさんの動いた道筋を画像にすると上のようになります。これを見ると、お二人の歩き方が完全に対照的で見事に私の狙いに引っかかってることが分かります。 ちなみに上の動画では1:06:48のときに私が衝立と衝立の間に立っていますが、この時点でまろんさんが(誰にも悟られることなく)移動しています。

「穴」

展示室の右上には、本来絵画が展示されているはずの箇所に穴が空いている箇所があります。これは「見る人を飽きさせないための作者のちょっとした遊び心」ではなく、「ここではただ単に絵画が並んでいるだけでなく遊び心的な演出もちょっと含まれている」という刷り込みを行い、あとあと鏡が出てきた際の警戒心を取り除くためのものです。実際、上の動画の1:08:27前後でおきゅたんが「ときどき自分が参加できるのが楽しい」と言っているように、この時点でおきゅたんの鏡に対する警戒心はほとんど取り除かれていることが分かります。「穴」という題材を選んだのは、「インタラクトする要素がないことがひと目でないことがわかること(ヨツミフレームが作りそうな『鏡の場所で不意にインタラクトをするように誘導するために伏線として設計されたギミック』なわけではないこと)」「アバター主体の遊びが染み付いているVRChatユーザー同士にとって十分な滞在時間を確保できること」が理由です。

眠りに誘うスイッチ

テレポート移動のきっかけを鏡のスイッチにしたのは、これが「一般的なVRChatユーザーが最も警戒心なく作動させるギミックである」というコンテキストを利用するためです。2019年現在のVRChatでは、現行のVRデバイスやPCのスペックでは描画量を倍増させる鏡は描画負荷が大きく、多くのワールドに鏡の表示・非表示を切り替えるスイッチが設置されています。ほとんどの場合、このスイッチの動作は他のユーザーとは同期されないため、「ワールドのギミックを勝手に作動させて他のユーザーに迷惑をかけることがなく、かつ自分のアバターを眺めるのに必要」な鏡のスイッチはVRChatの中で最も押すための心理的障壁が低いスイッチと言えます。この作品では来場者の能動的な行為をテレポート移動のトリガーにしたかったため、即決で鏡のスイッチを採用しました。

必ず起きる展示室をつくる

「だれもいない展示室」に行った後に元に戻ってこれるのは必須要件です。というのも、戻れない場合は煩雑でバグの多いワールド移動を強いることになってしまうため、「あの作品は来場者を閉じ込める悪趣味な作品である」という悪印象を与えてしまうからです2。一方で、この作品では「絶対に体験させたい演出」として「一度現実(もとの展示室)に戻ってこれたと思ったけど実はそこもまた夢の中だった」という演出を作ったので、これを必ず通るフローを設計する必要がありました。

そこで採用したのが「リスポーン(相当の行為)を誘導すること」です。「リスポーン」とは、VRChatのワールドにあらかじめ設定されている初期地点にテレポート移動する機能で、メニューからいつでも実行できるため「メンバーが離散した場合やスタックした場合の安心・安全の最終手段」として広く知られています。いくつかのゲームワールドでは逆走を防ぐためにリスポーン地点を動的に変更している例がありますが、この作品では「リスポーンした瞬間は一見正常な展示室に見えるけどすぐにそれが誤りであることに気づく」という演出を入れて恐怖心を煽る夢中夢の感覚を味わってもらえるようにしてみました。

「そろそろリスポーンしてもいいんですよ?」

具体的な誘導方法は単純で、

  • 会場を一周まわったら作品の看板の文字列が「そろそろリスポーンしてもいいんですよ?」に変わる
  • 謎解き的な行動が必要な展開だと誤解されないようにミラーのスイッチを含めてノイズとなる要素を全て排除する
  • メイン会場にいる人との接点となる要素を全て排除して2心理的にリスポーンしたいと思わせる

ことに努めました。リスポーンは不可逆的な行為である(リスポーンしてからすぐ前の場所に戻ることはできない)ことから、作品の全ての演出を見たいと思う慎重な人はリスポーンをためらうことが予想されますが、「リスポーンしてもいいんですよ?」と言葉で示すことで「リスポーンすることは作者によって想定されたフローである=リスポーンしても問題ない」ということを半ばメタ的に伝えています2

また、リスポーン後の演出は実はリスポーンせずとも会場入り口の扉に進むだけでも発動するのですが、これは「ガラス看板の変化に気づかずに、かつリスポーンする発想が抜けている人」のための救済措置です。完全に偏見ですが、こういうタイプの人は飽きずに会場中をしらみ潰しにしてヒントを探すと思うので、多分うまくいくと思います。

ということで、要領よく会場をまわれる人はガラス看板を見てリスポーンし、要領がよくない人でも歩き回っていればいずれリスポーン(正確にはトリガー発動)し、途中で不安感に駆られた人もおそらくリスポーンは最初に試すと思うので全員もとに戻ってこれると思います2

夢中夢と音の関係

まるで夢のように消えていく看板

前述の通り、「だれもいない会場」からリスポーンするとエントランスに戻るとともにエントランス内の看板やBGMが正常に戻っていることに気づきますが、数秒間待つと徐々に音が歪んでいき、看板の色とともに再び消えていってしまいます。この演出でのポイントはBGMを無指向性(どこにいても同じように聞こえる)ではなく指向性(看板から聞こえてくる)ようにして看板に注目させることです。VRChatで採用している音響システムは非常に優秀で、VR HMDをかぶっていると目をつぶっていても音の方向がおおまかに分かるのですが、BGMをあえて指向性にすることで強い違和感と看板に注目させる強制力が生まれます。特にBeta会場のエントランスは(偶然ですが)左右の展示室に進む際に看板が真後ろに来る形になるため、無視して進もうとしても「後ろ髪を引かれる」感覚を与えることができます。特に看板の演出は「地味に色が白くなっていて消える」2というものであるため、この演出を補うために音を使った演出を採用しました。幸い、BGMを連続的に変化させると数十秒間継続して注意をひくことができるため、この地味な変化を見つけやすくするためにはうってつけでした。

上記の演出を実際にテストしてみて思いがけず良い演出になったと思うことは、もとの展示室に戻ったときの無指向的なBGMが「元いた場所の空気感・安心感」を与えていることに気づいた点です。例えばメタホラー的なゲームではBGMを突然停止させることによって空気感を制御する演出はよく使われますが、指向性の有無によっても感じる印象が大きく変わることは初めて知りました。また、実装の都合上、もとの展示室のBGMは最初からではなく途中から再生される(正確にははじめから鳴りっぱなしになっていて「だれもいない展示室」まで音が届いていない)のですが、おそらくこれも「この場所は新たに立ち上げられた空間ではなく既知の空間である」という印象を与えることに寄与していると思います。

夢から起きて戻る場所

「鏡」

最後に暗転したあとは元の展示室の全く同じ場所(鏡の前)に戻ります。この場所をリスポーン地点に設定してしまうと鏡の前に溜まっている他の来場者のただ中に突っ込んでしまう可能性がありますが(実際放送でもそうなりました)、

  • VRChatではバグ・同期ズレ・接続速度の低下等でアバターが突然出現したり消えたりすることは日常茶飯事である
  • 現行のHMDは視野角が人間のそれよりも狭く、そばに人が出現しても気づきずらい
  • 導入・転換・結びの際に鏡という同じモチーフを用いることで(特に一人で作品を体験した際の)作品の完成度が上がる

という理由であえてこの選択にしました。実際放送でもまろんさんが急に出現したことに関しては特に突っ込みが入っていなかったので、誰も事態を把握できていなかったのではないかと思います。

この部分は「『だれもいない展示室』に一人をテレポートさせる際は他の人に目撃されないほうがいい」という主張と一見矛盾しているようにも見えますが、現在のVRChatはシステムが未完成で人とはぐれた際の合流動作が(ワールド内・ワールド間に関わらず)非常に煩雑であるため、「人が急にいなくなったときの注目度」は「人が急に現れたときの注目度」よりもはるかに高く、必ずしも対称ではありません。

体験人数に関する考察

次に、体験人数に関して軽く考察しておきます。この作品は三人以上で体験した場合に前述のシナリオが成立する想定で制作しましたが、実際は一人やカップル等で体験される場合もあるので、このような場合でも作品として成立するかどうかを確認しておく必要があります。

まず、一人の場合は前述の誘導に関する話はすべて無意味になります(一人しかいないので)。なので、この場合は単なる「体験型の作品」という扱いになります。体験を作品のメイン部分に据えるにしては演出が若干淡白な気もしますが、ワールドに一人しかいない場合はそもそも「だれもいない展示室」というシチュエーション自体が成立しませんし、別にホラー演出をやりたいわけでもないのでこのくらいでちょうどいいと判断しました。個人的には、一人で「夢から覚める演出」を見るのは結構気に入っていて、デバッグのときも何を確かめるわけでもなく何回も演出をループしてたりしていました。

二人(カップルを想定)の場合はさらに事情がややこしくなります。この作品の肝は「自分の見ていた夢の存在を他の人に理解してもらえず、自分が見ていたのが本当のことなのかが分からなくなる」というフィクションでよくある展開を追体験することなのですが、二人の場合は[あなた]役の人が夢を見ていないもう一人と対等な関係(人数)であるため、この展開が成立しません。また、二人の場合はお互いを視界から外さないようにしながら4行動すると思われるため、一人だけを自主的に鏡の前に来させることは困難です。

よって、今回は二人の場合のフローの設計に関しては妥協して、本来の多人数想定の演出をそのまま使用しました。ただ、二人の場合は「だれもいない展示室」というシチュエーションが双方で発生しますし、相手に気をかけるウェイトが多人数の場合よりもはるかに大きいと思われるので、「あなたの見ていたのは夢?」という投げ掛けの意味合いがいいように解釈されるのではないかと思います。

一応、鏡のある通路に一人しかいない場合のみギミックを発動するようにすることでこの問題を解決することは可能です。しかし、その場合はこの作品が「単に変な絵が飾ってある場所」になってしまい、私が見せたい体験を見せることができないため採用しませんでした。

まとめ:演出の確率性

これは過去に(VRコンテンツに限らず)いろいろな作品を趣味で作ってきた中での私の所見ですが、インタラクティブコンテンツにおける演出の完成度は確率的で、万人にとって100%の完成度を出すことは(少なくともアマチュアである私にとっては)難しいと思います。例えば「1%の仮想」をイベントとして開いたときには、マラソン会場かなにかと勘違いしたのか数十秒で全展示室を駆け巡ってエントランスまで戻ってきた人が数人いました4。特にVRコンテンツの場合は体の自由度が大きすぎるため、入力方法を束縛できるゲームよりもさらに巧みな設計が必要になります。 そんなわけで、作品を作る側は最大多数の来場者が最大エモ度を追求するようなコンテンツ設計し、作品を見る側は作者の意図を汲みつつそれに乗っかって楽しむということが大切ではないでしょうか?(当たり前すぎる結論)

余談:この作品のメタ設計

正直に言って、おきゅたんの放送で完璧に作動することを想定して作りました。まず大前提としておきゅたんは天使なので、絵画が並んでいる感じの作品を見学する場合は絵画を一つひとつ眺めながら時間をかけて巡ることが予想されます。さらに放送されている関係上見学の流れの主導権を握る人はおきゅたんで確定するため、行動速度に制約のない他のゲストメンバーのなかで一番見学する速度が速い人が[あなた]になることは容易に想像がつきます。ということで上の動画の様子は「この作品が確実に動作するベストケースの例」だったわけです。ごめんなさい。

余談:作る上での制約

この作品を作るにあたっては以下のような縛りを設けました。

  • シェーダーを作品の主な構成要素にしない
  • 時間的な動線をつくる
  • 音響的な動線をつくる

私が今までに作ったものはだいたいシェーダーに頼っているため、いつもとは少し違った感じの作品に仕上がっていると思います。

製作期間は構想含めて一週間くらいだったので、GPUを使って大急ぎでバッチサイズ増し増しで学習を回しつつギミックを作りましたが、短期間で作ったわりにはわりと気に入っている作品です5

ちなみに、上記の解説はすべて作品を作り終わったあとに書いたもので、作る際は頭で上記のことを考えつつ直接作品を作りました(なにしろ短期間だったので)。


  1. DCGANのサンプルのハイパラを適当にいじって約14000枚で学習しました
  2. この動画での[あなた]であるまろんさんにはあとで謝り倒しました。
  3. 今回は会場サイズが固定なので「1%の仮想」のように作品ありきの会場設計をすることもできません。
  4. 特にVRでは視野角が狭く、真横すら見えない場合があるためこの傾向が顕著になると思われます。
  5. まあこれを言ったら「1%の仮想」のときは計算上3日で1作品作ってましたが……。