今月見たものの感想(2024/6)

最近みた作品の感想を簡単に書くやつです。ネタバレがあります。


先輩はおとこのこ(単行本1~8巻、連載版81~100話)

  • 「ヨツミフレーム勝手にマンガ大賞2024」が開催されるとすれば今年今後何を読んでも一位。読んでほしい。私は半徹しながら読んで、翌日丸一日放心しました。
  • 第1巻の表紙を見てピンと来た人は、続く扉絵を見て「ア!!!!!!」となるので、読んでほしい。
  • 7月のアニメ化の前に偶然知って読むことができて本当に良かったという気持ちと、アニメを100%初見で見ることができなくなってしまったのでまだ読まなければよかったという葛藤がある。
  • 二次元における「男の娘」って、かわいくて、キャッチ―で、そしてどことなく背徳的な属性として確立していて1、実際作中でも初期の咲ちゃんからそういう扱いを受けているけれど、そうやって持て囃すのもいうなればゲイの人をホモネタで揶揄するのと同じことで、第一話の強烈な導入に釣られた読者にカウンターを食らわせるという自己矛盾的な構造になっているように思う。
  • それはそれとして、あの謙虚さと優しさとかわいさなら描写されてないだけで一年後半時点でも地下ファンクラブが存在してると思う。
  • 主要登場人物が男女三人という三角関係まっしぐらな構成でありつつも、まことくんがワイルドカードであるがゆえにどの組み合わせもありえてしまうというところがいい。そういう点では「主要登場人物が偶数でないタイプの百合」に近い。全員幸せになってくれ、頼む……
  • いわゆる縦読み漫画ははじめて読んだけど、普通のモノクロマンガとは色を使った表現力が段違いで(とくにこの作品はグラデーションを使った風景・心理描写がとてもきれい)、逆に「紙媒体で出版する必要があるから漫画というものはモノクロであるのが当たり前である」という先入観はいったいなんだったんだ。
  • 作者さんが単行本化に際して多分に修正を加えたと言ってた(5巻あとがきより)からスマホとタブレットを並べて単行本版と連載版(1~80話)を一コマずつ比較するなどという奇行もした。とくに1~2巻(1~16話)は中盤以降の展開と整合性を取るためかけっこう変更点があって、これアニメ(PVで1カットだけ変更前の解釈が含まれている)は個々の箇所でどっちを採用するんだ……?
  • 作者さんとアニメ公式のSNSアカウントのフォロワー数に対してPixivのイラスト数が思った以上に少なくて(好きな作品の二次創作見るの大好き)、これはLINEマンガという出自もあって読者コミュニティが自分と世代レベルで異っていて、自分のまったく知らないところに存在しているのでは?と畏怖。
  • 「出会い編」(今連載している過去編)も追いついた。これ「本編の答え合わせ編」じゃん……

Portal: Revolution

  • Portal 2のMod、日本語字幕あり、プレイ時間は私の場合(200時間と)4時間くらい。Half-Lifeシリーズを予習してるとさらによい。
  • 面白かった、というより懐かしかった。新しい被験者と新しいコアを用意すれば無限に二次創作ができるのは世界観として完成されすぎてるね。
  • あらためて、パズルシステムが超ていねいに実装されてるのが今プレイしても見劣りしないゲームになってると思った。長いジャンプがギリギリで着地できるようにこっそり補正してたりとか、そういうところ。

  1. 「男の娘」の定義についてはWikipediaが詳しい。なにこの熱量?